欧米での、ペット安楽死
さて、先日来、ずっと書こうと思っていた書評です。
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著者は、カナダ生まれ、執筆時点では、イギリス・ロンドンで獣医師をしているそうです。
この本を読んで思ったこと、日本って非常に独自の感性を持つ国なんだなぁ…です。
古代より、東西ヨーロッパ、南ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア、中央アジア、ロシアまで、常に民族、宗教が原因の紛争があり、常に侵略、戦争(経済でも軍隊でも)があり、差別あり虐待あり、今、何十年ぶりに世界史の本を読んでいるところなんですが、ホント、日本史は、まったりしているなぁ…という印象です。
アメリカ・カナダ・オーストラリアも、ヨーロッパから入植した人たちが築いた国、同じ文化や宗教が根付いた国で同じ系統と考えると、先進国中、日本ほど、侵略や異民族との接触がなかった国は、そうそう、ないんじゃないでしょうか?(あまり詳しくないので、断言はできないですが…--;)
明治・大正に入り、急速に欧米と親しくなっておりますが、未だ、相互理解が難しいのは当然だろうと、改めて思いました。
さて、著者ですが、1ページ目に「(欧米以外の)世界に、このような(人と動物との絆)があるとは、思ってもみないこと」とのこと。先に書いたように、日本のような、独自の歴史を有する国であっても、欧米人と同様、動物を大切にする心があると分かった、しかし、ペットと暮らすルールは、文化間で違う、と書いております。
「西欧のキリスト教思想では、すべての生き物に対する責任は、人間に託されております。西欧の飼い主が、年老いたペットが弱くなり、病気が悪化したときに、生命の終わり、つまり安楽死を選択するのは、この伝統的な文化の表れです」(P2)
我が家の老猫も、西欧の感覚で言うと、完全に安楽死対象だったろうなぁと思います^^;
ほんの半年前、市販のフードのみを与えていたとき、鼻炎・関節炎が本当に酷く、これ以上、苦しめさせる方が可哀想だという結論になったでしょう。
食事を切り替えた(手作り食にした)お陰様で、今は、私のパソコン机の上まで甘えに来たり、あれもこれも味見したがったり、去年からは考えられないぐらい回復してくれましたが…
命って本当に不思議で、どういうきっかけで、どういう風に立ち直るかも分からないのに、西欧の人は、簡単に安楽死させちゃう、ということにもなりますよね。
咬傷事件を起こした犬も、すぐに安楽死してしまうようです、躾直す手間をかけたくないのでしょうね。
結局は、日本の、保健所への引取を依頼することと、何ら変わりはないと思います。
まぁ、税金使って人様に無責任に迷惑かけるよりは、西欧の安楽死の方がマシとは思いますが。
続く前書きでは、著者が1日に15件、患畜を診察したうち、1件はエサヤリ、2件は安楽死だったことを書いています。
安楽死2件のうち、1件は癌の末期、1件は隣家の犬を襲った危険犬の処分とのこと。
獣医師として、「人々とペットの関わり、獣医師の責任というのは、表面上よりもずっと複雑で重いものだ」と書かれております。
先に、安楽死に関する話をまとめてしまおうと思います。
この後、ペットと人間の関わりや、ペットの役割に関する興味深い考察があるんですが、次記事以降で書きたいと思っております。
この本のP105から、安楽死とペットロスについて書かれておりまして。
まずは、安楽死について。
この獣医師の元に来る患畜のうち、200匹に3匹は、安楽死させるとのこと。
西アメリカでは、200匹に4匹が安楽死となるそうです(P106)
「西欧社会では、ペットは法的に飼い主の所有物です。飼い主の好きなように扱ってよく、そこには殺す自由も含まれております」
ということは、よく愛誤が発狂している、”里親詐欺”と呼ばれる、虐待目的で譲渡を受ける人も、西欧諸国では、法律違反にならないのかも知れないですね…日本では、動物管理愛護法違反ですが。
欧米の法律は分からないので、何とも言えませんが…(カルフォルニア州には、動物を不必要に殺すことを禁止する法律があるそうですが)
この獣医師のところへ、「さまざまな気まぐれな理由で、ペットを殺すように頼む飼い主がいる」とも書かれております。
気まぐれな理由とは、引越しするから、訓練できないから、大きくなり過ぎて可愛くなくなったから、世話にお金がかかり過ぎるからなど、だそうです。
気まぐれではない理由としては、そのペットの存在が人命に関わる場合と(傷害も含む)、そのペットが長生きすることで、益をもたらさない場合のようです。
さまざまな安楽死の例を挙げておりましたので、要約してみました。
そして、西欧では、安楽死という選択肢があるせいで、ペットロスがより深刻になっている、とも書かれておりました。
どんな死に方であっても、自分が管理すべき動物が死を迎えた場合、多かれ少なかれ、後悔はあると思います。
まして、飼い主自身が死を望んだ場合は、自然死と比較して、後悔は大きいだろうと思いました。
そして、ペットロスは、周囲の(特にペットを飼っていない人)心ない一言によって、深刻化するそうな。
個人的に、ペットの死を理由に、自分の公的な役割(出社だったり、子供のお迎えだったり、介護だったりなどなど)を放棄する人に対し、確実に嫌悪感を抱きますが(軽蔑も。医師の診断書があれば別ですが)、口に出して責めることはできないですね…
一方、たかが犬とか猫とか、そういうことを面と向かって口走る人とは、絶対にお付き合いしたくないです。
人が大切にしているものを理解できない人は、その人自身以外のもの全てを、大切にしない・できない傾向があるからです。
話を本に戻します、著者によると、病的なペットロスに陥る人は、ペットへ感情的に依存したり、特別な関わりを求めていた人が多い、とのこと。
ある精神科医によると「フラストレーションを増大するような特別な状態にあるとき、人間はペットに依存することにより、その代替物に欲求を重ね合わせる。自己防衛を目的とする、このような依存関係は病的であり、これがなくなった場合、精神病的反応が生じ、長く続くこともあり得る」(P121)とも記載があります。
ペットに頼りすぎる人は、人間不信で苦しんでいる人、とも書かれてます。
個人的には、ペットに依存することによって、法を犯さず(適正飼育含む)、ある程度の社会生活が営め、自分で自分の食い扶持を稼げてるのなら、それはそれで良いのでは?と思います。
ペットロスも、自己責任ですしねぇ。痛い目見るのは本人ですから、他人がどうこう批判・非難することではない。
何かしら実害を被っているのなら、批判・非難も仕方ないことですが、実害がないにも関わらず、実害をもたらした人以外のペット愛好家まで批判・非難する人も、やっぱり、愛誤並に見識が狭いと思います。
ただ、ペットに感情移入し過ぎ、かつ人間不信の人で、人格障害や精神的な病気が疑われるような態度をとる人(特にネット上とかで)がおりますよね…? そういう人は、フツーの社会生活が営めているとは思えないので、ペットに依存するよりも、通院した方が良いだろうとも思いますケレド…
人に迷惑かけていない猫好きもいるのに(そういう人が、大多数と思います)、猫好きというだけで愛誤と決め付け、一方的に非難するようなことを書く人も、やっぱり、相当、歪んでるなぁとも思いますが。
なお、この本にも書かれておりますが、ペット自身も、飼い主との別離が原因で、病的な行動をとることがあるそうな。
私の祖母の飼い猫は、祖母の死後、祖母を探しまわって力尽きて、死んでしまったと聞きました。
犬猫の場合、自分の生活全てを、飼い主に任せているんですもんね…
飼い主がいなくなったことで、犬猫が、全てを失ったと鬱状態になるのは、如何ともし難いとも思います。
相当、長くなってしまいました、次、ペットの存在意義について、書きたいです。
幸いにして、北海道のNPO法人にて、それなりの金額を支払えば、引き取ってくれ、譲渡先を探してくれるそうですので。
私も、まだまだ生きたいとは思ってますが、人間、いつ、何があるか、分からないですから^^;
蛇足ですが、災害時、国や市の方針に従うつもりではおりますが、居所での想定し得る災害に対し、どんな状態でも最善の策をとれるように、車中泊も含め、一応、様々な準備もしています。
ただ、人様に迷惑を掛けたくないので、猫を置きっぱなしで避難はできませんね… 屋外に出たことのない猫たちですが、野良化する可能性だって、まったくゼロではないですし。
キツネやカラスのエサになってしまったら、それはそれで、害になりますしねぇ。
もっと嫌なのは、愛誤団体の無秩序エサヤリ等の二次三次被害。
警戒区域内も、相当、悲惨なことになっているそうですし。
ついでに言うと、避難所で猫を開放も、絶対に無理。小型犬の飼い主などが、犬も家族よ~とか言いつつ、犬に好き勝手させそうなので、怖くて、猫、出せません。動物病院でも、小型犬のノーリード、まかり通ってますから。
それに、猫嫌いの人から、八つ当たりや虐待を受ける可能性もありますしねぇ…
猫のことを考えても、キャリー内で過ごさせるのが、ベストじゃないですかねぇ……
人様に迷惑掛けず、その上で、個人的な事情について、どこまで許してもらえるのか、臨機応変に対応したいものです。
といっても、死火山に囲まれた山間地での暮らし(原発からも遠いです)、災害も、冬場の停電が最悪ぐらい、避難しなければならない程のことは戦時中でもない限り、そうそうなさそうです、単に、私が恵まれている、というだけのことですケド…
ただ、災害時の対応については、猫を飼う身として、本当にいろいろ悩み、苦しんでいるんですよ。
猫を放置しても、結局、問題を引き起こしますからね。
東日本大震災という痛い事例があるにも関わらず、何の準備もしていない人もいるでしょう(愛誤とか不適正飼育者とか)、猫のために避難しないという人の方が、まだマシに、私は思えますね。
私自身は、上記の通り、最悪、車中泊で何とかなりそう(エコノミー症候群で死んで笑われたにしても、自己責任。というか、一般的に、死亡以上の罰って、他にありますかね? 死者まで、バカにして笑いますか(呆)、非常識過ぎ、どんだけオツムがお偉いの?)、でも、勝手な行動で迷惑を掛けたくないから、基本、国や市の指示に従おうとは思ってますがね…
ちょっと気になる書き込みを読みまして、本気でムカついてますので、一応、記載してみました。
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| | 2013/08/05 08:21 | |